観るものを増やす・・・そして、いい加減を許さない!

 最近は木曜日のジュニアのトレーニングを担当することが多い。コーチがいないのでやむなくと言うわけではなく、ある意味危機感を持っているからなのである。そう、5年生には身につけてほしい技術や意識が山ほどあるからなのだ。
 今年に入ってから私がテーマとして取り組んだものは「ファーストタッチ」のみ!とにかくこの部分を改善しなければ、ゲームをやっても落ち着かなくなるばかりではなく、これからこの選手たちがサッカーを続けていくための重要な土台となると確信しているからである。
 昨日はドリルずくめ、まずは前方から来たボールを後方にコントロールしてパスというもの。初めはただ何となくやっていたが、そんな時にフリーズ!速さを要求することによってボールを受けるために角度を作って体の向きを次第に変えることを伝えた。でもまだどちらの足でコントロールするかが曖昧。そこでまたフリーズ!今度は自分の体から見てどちら側に来るかでコントロールする足を決めるかを伝えた。そうするうちにどんどん意識が高まって来るのである。
 次のトレーニングは、その応用としてキーパーをつけシュートを狙うというもの。今度は単にボールだけに意識を集中させるだけでなく、相手も意識するためなのである。前のトレーニングの成果は出ていてしっかりゴールに向いてボールをコントロールするものの、そこにはキーパーの位置などは全く関係ないのであった。そこでまたフリーズ!キーパーの位置をよく観て、今度はどの方向にコントロールするかが問われるかを意識付け。つまりは、ボールを観る−相手を観る−またボールを観る、視点の切り替えが重要なのである。なかなか思うようにならないものの、意識だけは少しずつ変わってきていることを実感。観るものを増やすという意味で行ったトレーニング、ちょっとは効果があったと思われる。また、フリーズだけでなく、シンクロでどんどん声をかけることもこの選手たちには必要なのだ!
 それと同時に、このように、多くの集団でトレーニングをしていると、なかなか目が行き届かない。しかし、適当に、いや、いい加減にトレーニングをこなしている選手を見つけたら、やはりそこに働きかけるべきなのである。そこを見逃さないのもまた指導者の役目。クオリティ(質)の追求はこの年代であってもやるべきことなのである。いい加減は許さないぞ、つまりはトレーニング中いつでも緊張した状態(Alert)を創り出すことも指導者の必要不可欠な資質なのである。
追伸
 単にガミガミ選手に言うのではないことを申し添えておきます。
 いやあ、私が指導すると選手はピリピリしてます。ちょっとかわいそうかなとは思いますが、でもしばらくは続けます!なぜって?私が指導しなくてもいつでも見てるぞ、という緊張感を常に持たせたいからです。トレーニングに入ったら、周りのみんなは仲間であってライバルなのだぞ!わかってるか5年生諸君!
さらに追伸
 選手のお母様方へ。しっかりご飯を食べさせてますか?体を大きくさせるためには食事の内容がどうか問われますよ!