ゴールデンエイジ

 4年生に縄跳びをやらせた。一向に上達しないので、ちょっと刺激を与えてみるつもりで、「5年生になるまでに二重跳び10回!」なんていってやらせてみた。するとどうだろう、去年だったらできるのはほんの数名しかいなかったのだが・・・、10回とはいかないまでも何回かできる子がどんどん増えてきているではないか。小学校の体育であろうがサッカーであろうが、できることを増やすのは究極の目標。それが1回の時間の中で実現していくのである。
 まさにゴールデンエイジなのだ。イメージしたものがほんのちょっとした練習でできるようになるのである。大人だったら、ああしてこうして、こうやってと、手順だとか論理が先行してなかなか自分の身体を思うようにコントロールできない。それをこの時期の子どもたちはなんなくやってしまうのである。羨ましい限りだ。
 さて、このことをサッカーのトレーニング、いや、個人の遊び感覚でのプレーに置き換えて考えてみよう。
 例えばキック一つをとっても、5年生や6年生の中に、どれほど曲げて蹴ったり、落ちるボールを蹴ったり、スーパースター(例えばベッカムのような)のキックを真似して蹴っている選手がいるのだろうか。答えは、限りなくNOに近いのである。
 私も学生のころ、あのペレのバナナシュートを真似して蹴っていた記憶がある。今では、そんなに曲がるボールを蹴ることはできなくなってはいるものの、自分の感覚の中にはしっかりと根付いている。ベッカムのキックだって、真似して蹴ったことはあるのだ。
 おそらくスーパースターと言われる選手は、キックの仕方だってフェイントだって、教えられて身につけてきたものではないはずだ。子どものころに憧れの選手を同じように真似て身につけてきたのだろう。教えられるのは待っていたのではない。
 小学生、いや中学生の選手にも言いたい。もっともっといろいろなことに自分から挑戦してみよう。プレッシャーのない中でできるようになったら、次はプレッシャーの中でやってみよう。そうやっていろいろな技を自分のものにしていくのだ。
 私の自慢・・・社会人になってからコーナーキックを直接ゴールしたことがある。まぐれではない、狙って蹴ったのだ!