キッズフェスティバル

 キッズフェスティバルが行われた。昨年から行われている3年生以下のサッカーフェスティバルである。函館サッカー協会のF氏が企画から運営まですべてひとりでやってくださっている。本当に頭の下がる思いである。
 このちびっ子サッカー、見ていて実にいい。勝っても負けても、点をたくさん取られようが、子どもたちは常に笑顔なのである。それが実にいいのだ。得点した時もそのうれしさを素直に表情に出すし、「サッカーは楽しい!」、それを全身で表現しているようだ。
 それだけでなく、時折、大人顔負けの見事なプレーも見られる。子どもたちが持っているその能力が、試合という場の中で発揮されるのだ。そのプレーは確実にその子のものになっていくだろうし、身につけたといっていいだろう。練習では培えない、試合という緊張した場でのよいパフォーマンスの発揮、本当に素晴らしいと思う。
 また、会場の雰囲気も抜群によいのである。よいプレーには拍手が自然に沸き起こるし、珍プレーには自然な笑いが生まれている。高学年の試合のように「がんばれ〜!もっと動け〜!」などという叱咤激励の言葉はそこにはない。会場にいるすべての大人たちが子どもたちのサッカーを温かい目で見ているからだろう。指導者も例外ではない。試合中のコーチングがほとんどない。それがまたさらにいいのである。
 この年代の子どもたちに、広がることの必要性など、論理的な考えを要求するのは無理というもの。経験を通して学ばせる、そんなスタンスを指導者は持つべきだろう。それ以上に、ボールを持ったらゴールに向かえというような積極的なコーチングが求められる。
 くどくど書いてきたが、このフェスティバル、多くのサッカー関係者に見てほしいと思う。なぜなら、サッカーの原点がそこにあるからである。どの年代であってもサッカーは楽しいものでなければならない。それを伝えるのも指導者の役目だろう。サッカーの指導は、サッカーの楽しさの追求ではなかろうか。試合に追われると忘れがちになるそのことを、ちびっ子たちは教えてくれるのだ。
 4種関係のみなさん・・・見に来るべきですよ!