ジュニアから育てなければ・・・

 クラブU−11フェスティバルに参加するために夕張へと向かう。5年生12名、4年生2名、3年生3名の総勢17名の初めての遠征である。
 5年生の数名は3月にも遠征に参加しているので、その他の選手にとっては試合だけでなく、生活部分でも経験を積ませる場なのである。
 バスに乗ってしばらくすると、やはり旅に出た興奮なのか、どんどんと車内が盛り上がってきた。仕舞いには、みんなで合唱なんて光景も出てきたのである。それはそれ、小学生ならではの盛り上がりなので、私の方としても黙っていた。
 しかし、ちょっと度が過ぎてやや騒然となってきた時、ある5年生が、「もうちょっと静かにしたらどう?」と声をかけていた。
 それだけでなく、食事の時も、バイキング形式で食器を下げる必要はなかったものの、テーブルごとに食器をまとめていたし、バスに乗り込む際にも、「お願いします。」と運転手さんにあいさつをする。途中のトイレタイムで遅くなった選手も、「遅れてすみません。」と、必ず声をかける。
 試合会場に行っても、他チームの指導者にも必ずあいさつもする。5年生以下とはいえ、サッカー以外の部分ではあまり頭を悩ませることがないのである。

 翻ってジュニアユースチーム、そういう部分での躾というか態度がまだまだしっかり身についていない選手が多い。5年生にできて中学生にできないのであるのだから少々情けない感じもする。

 一貫指導とはサッカーだけではなく、その他の様々な部分での態度を育てる意味でもとても大切なことだろう。サッカーはもちろんだが、当たり前のことを増やす、それこそが一貫指導の一貫指導たる所以ではなかろうか。ジュニアから選手を育てていくことの意義がまた、そこにあると考えている。